もう、誰も好きにならない。
翌日学校へ行くと
噂話はクラスでは留まらず、学校中に広まっていた。
教室に行くまでの廊下で『最低女』『くそビッチ』等々、名前も知らないヤツらから、あからさまに暴言を吐かれる。
言い返す言葉もないし
言い返したりなんかしたら『開き直っている』と言われて、事態が悪化するだろう事は目に見えている。
俯いたまま足早に教室に逃げ込むと
廊下とは比べ物にならないくらいの、突き刺すような視線がワタシに集中した。
その中に、目の周りを大きく腫らせて泣き続ける里奈の姿があった。
きっと、昨日からずっと泣き続けていたのだと思う。
謝らなきゃ。
里奈に近づこうとした時
「よく学校来れたよね。 どの面下げて来てんだよ」
里奈を囲み慰める数人の女子たちが、ワタシの行く手を阻んだ。