もう、誰も好きにならない。
もう、誰も好きにならない。










---------------------教科書が戻って来て、二宮くんに教科書を見せてもらう事は当然なくなった。








元の席に戻るのかなと思っていたが、二宮くんは相変わらずワタシの隣に座っている。








きっと、ワタシを嫌う女子をワタシの隣に戻す事を懸念したのだろう。







二宮くんだって、ワタシの事嫌いなくせに。







『何やってんだろ』と後悔しながらも、根が優しい二宮くんは、どうしても見放す事が出来なかったのだろう。








だけど、会話は格段に減った。







そもそもそんなに仲良くお喋りする間柄ではなかったけれど、『教科書を見せてもらう』という、二宮くんの傍にいられる大義名分がなくなった今、お互いがお互いに用事がないのだ。








このまま、二宮くんとの会話減少に比例して、ワタシの恋心も擦り減って消滅する様願う。
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