もう、誰も好きにならない。
「・・・・・・・・・・・・・別にイイんだって。 どうしても参加したいってワケじゃないし。 ワタシがいない方がみんなが楽しめるなら、その方がイイと思うし。 ワタシだって、こんなシカトされてる状態で文化祭なんかとても楽しめないし。 これでイイの。 だから、二宮くんの優しさはちょっとお節介カモ。 ・・・・・・・・・・・でも、アリガトネ。 気付いてくれて」
数少ない二宮くんとの会話の内容が、こんな悲しい話題というのが、何とも切ない。
「・・・・・・・・・・・・・・冴木、文化祭来ないつもり??」
二宮くんが、可哀想なコでも見る様な淋しげな目でワタシを見た。
「行くよ。 二宮くんがミニ履いてる姿見たいし、二宮弟のクラスも覗いてみたいし」
「・・・・・・・・・・・・・弟のクラスにも行くんだ」
「・・・・・・・・・・・・ヤリマンだからね」
二宮くんの口から言われる前に、自ら言ってしまう。
二宮弟のクラスに行っても行かなくても、どうせワタシは二宮くんに嫌われたままなのだから。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
二宮くんは、肯定も否定もせず、無言でワタシの傍を離れ、メイド服の採寸をしに行ってしまった。