もう、誰も好きにならない。
「・・・・・・・・・・・・」
そんなワタシを黙って見下ろす二宮くん。
「勘弁しろよ。 何で二宮がビッチ冴木と友達になんなきゃいけねぇんだよ。 あんまニ宮に纏わりつくなよなー、ビッチ冴木」
さっきと違う男子が、ワタシを『シッシッ』と手で追い払った。
・・・・・・・・・・・絡んで来たの、オマエらの方じゃねーか。
言い返すのも面倒くさくて、握り拳を作って怒りを握り潰しながら教室に入る。
「おい、冴木って」
ニ宮くんが、またもワタシを呼び止める。
「・・・・・・・・・・・・」
『放っとけよ』の意味を込めて無言で振り向き、二宮くんに視線をやると
「ソレで机の表面削るより、準備室の余ってる机と交換した方が早くないか?? 削ると、オマエの机だけ白くなって悪目立ちするぞ」
二宮くんの目が、ワタシの手に持たれている紙ヤスリを見ていた。
・・・・・・・・・・・・確かに。
二宮くんの言う事は、やっぱり正しい。