もう、誰も好きにならない。









「それでも謝れよ。 オマエはそれだけの事をしたんだよ。 『謝れなかった』?? 『謝るのを辞めた』んだろ?? オマエさぁ、ホントは『自分はこんな目に遭わなければいけない程、悪い事はしていない』とか思ってね?? 結婚してるワケでもない男を好きになって、手を出した。 それは犯罪でも法律違反でも何でもないもんな。 付き合う付き合わないなんか、ただの口約束にすぎないもんな」







二宮くんの言葉に目を見開く。







『謝るのを辞めた』 確かにそう。 それは二宮くんの言う通り。







でも、その後の話は、全然そんな風に思った事も考えた事もなかったのに。







この人は、どんだけワタシの事を嫌な人間だと思っているのだろうか。








「オマエは社会から裁かれるような事はしてないよ。 ただ、道徳に反している。 だから、世間に裁かれたんだ。 だからオレは、今のこの状態は当然だと思うし、謝るべきだと思う」







ただ、それでも二宮くんの言っている事は正しかった。
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