もう、誰も好きにならない。
自転車が風を切って走る。
手を制服の濡れていない部分で拭い、身体を二宮くんにくっつけてしまわぬ様に、二宮くんの制服を必要最低限だけ捕まらせてもらう。
・・・・・・・・・・・・・寒い。
濡れた制服が風に当たって、どうしようもなく寒い。
身体が震えて仕方がない。
『チャリで7分』 7分の我慢。
ガチガチ音を鳴らせて震えてる歯を、グッと噛み殺して耐えていると
---------------グイッ。
二宮くんが掴んでいたワタシの手を引っ張って、自分の腰に巻きつけた。