もう、誰も好きにならない。
二宮くんの背中を勝手に借りて泣いていると
「着いた。 ココ、オレん家」
二宮くんが自転車を止めた。
涙を見られぬ様、即座に目を擦って自転車を降りる。
二宮くんの家は、庭付きのとてもキレイな一軒家だった。
家の玄関前に適当に自転車を置いた二宮くんが、玄関の鍵を開ける。
「どうぞ」
二宮くんがワタシを招きいれた。
「・・・・・・・・・・・お、お邪魔します」
今更緊張してしまう。
二宮くんは、彼氏でも友達でもない。 ただのクラスメイトだ。
そんな男子の家に上がりこんで、ワタシは何をしているのだろう。