もう、誰も好きにならない。
咄嗟に川田くんが、繋がれていたワタシの手を振り払った。
涙を誘う、傷つく行為。
だけど、泣いている場合ではない。
「川田って、中岡と付き合ってるんだよな?? 冴木と中岡って友達じゃなかったの?? オマエら、何してんの??」
全てを悟っただろうのに、詰め寄ってくる二宮くん。
「・・・・・・・・・・・・ワタシが頼んだの。 川田くんは何も悪くない」
川田くんを擁護したのは、決して川田くんの為ではない。
川田くんに嫌われたくない、自分の為。
「冴木の誘いに乗ったんだから、川田も同罪だろ。 オマエら、最低」
二宮くんが吐き捨てた言葉に、川田くんの顔が強張った。
川田くんは、今日ワタシとデートをした事を後悔しているだろうか。
------------------それだけは、絶対に嫌だ。