薔薇の夢をあなたに
「でも…」
ためらうように首を振る。
「わたしは巫女だから。里のみんなを騙すようなこと…できない。」
「何言ってるの。みんなサーシャの幸せを一番に願っているに決まってるじゃない!」
サーシャの瞳をまっすぐ覗き込む。
「…ジュリエット…。私はそなたがうらやましい…。あの魔法使いも王族ではないのだろう?」
「う…うん…。騎士団の人だよ…。」
「身分が違っても、それを超えてまでその人を愛すのか?」
サーシャに瞳を見つめられる。奥まで見透かされそうな空色の瞳。
以前ルビーにも言われた。ほとんどの人は私に身分違いの恋心を抱くことさえ許されない。そんな人たちを想うこと自体が重荷になってしまう…と。
それでも…私は…「私は自分の気持ちに嘘つきたくないの。好きなんだもん。世界中の誰よりも私はレイを愛しているわ。諦められるようなものじゃないの!」
言い切った瞬間、自分の言葉で、私は軽くなった気がした。
私、やっぱりレイのことが大好きだ。
どんなことがあっても、レイの側にいたいと思う。そのためならどんなことでも頑張れる…。
「サーシャも自分の気持ちに聞いてみなよ、その人への想いはあきらめられるようなものなの?」
私はもう一度サーシャの瞳に語りかける。
「わ…私は…」
「サーシャはその人のことが好きなんでしょう?」
「……。」黙って首を縦に振る。
「その気持ちに気づいてるなら大丈夫よ。あとは全部うまくいくわ。」
私はにこっと笑った。
「ジュリエット…ありがとう…。」サーシャは小さな声でつぶやく。
「ん?」
「同じ年頃の娘と、こんな風に普通に歩いて、恋の話をするなんて…夢みたいだ。そなたたちが偶然でもこの里に来てくれて、そなたと出会えて私は嬉しいと思う。」
サーシャはそういうと、笑顔を見せてくれた。
きれいな八重歯ののぞくその笑顔は、初めて見る本当のサーシャの笑顔…だったのだと思う。
ためらうように首を振る。
「わたしは巫女だから。里のみんなを騙すようなこと…できない。」
「何言ってるの。みんなサーシャの幸せを一番に願っているに決まってるじゃない!」
サーシャの瞳をまっすぐ覗き込む。
「…ジュリエット…。私はそなたがうらやましい…。あの魔法使いも王族ではないのだろう?」
「う…うん…。騎士団の人だよ…。」
「身分が違っても、それを超えてまでその人を愛すのか?」
サーシャに瞳を見つめられる。奥まで見透かされそうな空色の瞳。
以前ルビーにも言われた。ほとんどの人は私に身分違いの恋心を抱くことさえ許されない。そんな人たちを想うこと自体が重荷になってしまう…と。
それでも…私は…「私は自分の気持ちに嘘つきたくないの。好きなんだもん。世界中の誰よりも私はレイを愛しているわ。諦められるようなものじゃないの!」
言い切った瞬間、自分の言葉で、私は軽くなった気がした。
私、やっぱりレイのことが大好きだ。
どんなことがあっても、レイの側にいたいと思う。そのためならどんなことでも頑張れる…。
「サーシャも自分の気持ちに聞いてみなよ、その人への想いはあきらめられるようなものなの?」
私はもう一度サーシャの瞳に語りかける。
「わ…私は…」
「サーシャはその人のことが好きなんでしょう?」
「……。」黙って首を縦に振る。
「その気持ちに気づいてるなら大丈夫よ。あとは全部うまくいくわ。」
私はにこっと笑った。
「ジュリエット…ありがとう…。」サーシャは小さな声でつぶやく。
「ん?」
「同じ年頃の娘と、こんな風に普通に歩いて、恋の話をするなんて…夢みたいだ。そなたたちが偶然でもこの里に来てくれて、そなたと出会えて私は嬉しいと思う。」
サーシャはそういうと、笑顔を見せてくれた。
きれいな八重歯ののぞくその笑顔は、初めて見る本当のサーシャの笑顔…だったのだと思う。