薔薇の夢をあなたに
僕は信じることにした。
彼の魔力は澄んでいたし、僕を守ってくれた。何の見返りも期待しないで。
何より僕はまだ幼かった。誰かを頼りたかったんだ。
目の前の威厳溢れる国王陛下に、僕は洗いざらい打ち明けた。
一気に語ったため、少し話し疲れた僕を陛下はゆっくり横たえてくれた。
「話してくれてありがとう。にわかには信じがたいことではあるが、私はそなたの目を信じようと思う。数奇な運命を背負わされているというのに、そなたの意思は固いのだな…」
僕はうなずく。「僕にしかできませんから。やり遂げなければなりません。」
ベッドから足をおろし、立ち上がろうとする。足に体重をかけた瞬間、体中に電流が走る。
「ああああ!!」あまりの痛みに僕は結局無様に転がり落ちてしまう。
「無理をするな、そなたの思いは分かる。だがしかし、時空移動の反動はそうすぐには完治せんよ。」軽々と抱え上げられ、再びベッドにもどされる。
「
くそっ、こんなことをしている場合じゃないのに!」それにここにいては、多くの人に迷惑がかかる…
「レイよ…。そなたにはここに残ってもらう。」
「え?」思慮深い王と視線がぶつかる。
「ダメです!僕には時間がない!それにここにいては、あなた方にも危険が及ぶ!!」
「では、聞くがそなたに行く宛はあるのか?」
その問いに唇をかむ。「しばらくは身を隠します、力を蓄えて国に戻るつもりです。」
「そなた一人の力で何ができる?レイ…君はまだ幼い。」
優しく大きい手のひらが頭の上に乗る。「しかし…」そのぬくもりに思わずすべてが緩みそうになる。
「それに、我が【太陽の国】は、そなた一人くらいの命をかくまうことなどどうってことないのだ、大国と呼ばれるにはそれなりの訳があるのだよ。」優しい王の声に張りつめていた糸がぷつんと切れそうになる。
彼の魔力は澄んでいたし、僕を守ってくれた。何の見返りも期待しないで。
何より僕はまだ幼かった。誰かを頼りたかったんだ。
目の前の威厳溢れる国王陛下に、僕は洗いざらい打ち明けた。
一気に語ったため、少し話し疲れた僕を陛下はゆっくり横たえてくれた。
「話してくれてありがとう。にわかには信じがたいことではあるが、私はそなたの目を信じようと思う。数奇な運命を背負わされているというのに、そなたの意思は固いのだな…」
僕はうなずく。「僕にしかできませんから。やり遂げなければなりません。」
ベッドから足をおろし、立ち上がろうとする。足に体重をかけた瞬間、体中に電流が走る。
「ああああ!!」あまりの痛みに僕は結局無様に転がり落ちてしまう。
「無理をするな、そなたの思いは分かる。だがしかし、時空移動の反動はそうすぐには完治せんよ。」軽々と抱え上げられ、再びベッドにもどされる。
「
くそっ、こんなことをしている場合じゃないのに!」それにここにいては、多くの人に迷惑がかかる…
「レイよ…。そなたにはここに残ってもらう。」
「え?」思慮深い王と視線がぶつかる。
「ダメです!僕には時間がない!それにここにいては、あなた方にも危険が及ぶ!!」
「では、聞くがそなたに行く宛はあるのか?」
その問いに唇をかむ。「しばらくは身を隠します、力を蓄えて国に戻るつもりです。」
「そなた一人の力で何ができる?レイ…君はまだ幼い。」
優しく大きい手のひらが頭の上に乗る。「しかし…」そのぬくもりに思わずすべてが緩みそうになる。
「それに、我が【太陽の国】は、そなた一人くらいの命をかくまうことなどどうってことないのだ、大国と呼ばれるにはそれなりの訳があるのだよ。」優しい王の声に張りつめていた糸がぷつんと切れそうになる。