薔薇の夢をあなたに
ガキンっ!!!
金属と金属のぶつかり合う鈍い音がした。膝立ちの僕とまさに僕を殺そうとした人物の間にだれかが割って入っている。
紅のマントが闇夜にひらめく。
「おい、クソガキ。なんでこんな状況になってんのかわかんねーけど、さっきの炸裂弾だけは褒めてやる。あれがなかったらまにあわなかっただろうよ。」
真っ赤な騎士団の団服に身を包んだ男は乱暴にソードを抜き放ちながら、僕のほうも見ずに、吐き捨てる。
「お前はそのお方が、太陽の国のお姫さんだってわかってやってんだろうな。このクソ野郎。」
「誰だ貴様は!」ナイフを引き、素早く間合いを取るフードの男。
「ん?俺か?」突然現れた男は、粗野に盾を担ぎながら重そうなソードの切っ先をまっすぐ敵に向ける。
「太陽の国の騎士団長様だよ!まったく団長就任後初任務が、我が国のお姫さん奪回なんて、大手柄じゃねえかよぉ!!」
次の瞬間、木の陰から何十人もの騎士団員が周囲を取り囲む。
「大丈夫よ、私たちが来たからもう安心して。」
僕は気が付くと真っ黒の団服の女性に肩を抱かれていた。温かい青の癒しの魔力が流れ込んでくる。
「今は止血しかできないけど…それに足も折れているわね。もう少しの辛抱よ。」
目の前では、信じられないくらいあっという間に敵は捕らえられ、ジュリエットは騎士団長とやらの腕のなかでぐったりとしているのが見えた。今まで戦っていたとは思えないくらい整った息のまま、近づいてくる。
「まったく。就任早々俺のクビが飛ぶ寸前だったぜ。ったく、おいロゼット。そのクソガキの容体は?」
僕を見下ろすその男は妙にきれいな顔をしていて、たくましくて、ジュリエットをしっかり守っていた。言わなければならないことがたくさんあったが、僕ももう限界だった。
ジュリエットの無事な姿をしっかりと確認すれば、ぎりぎりで保っていた視界は、たちまちブラックアウトした。
金属と金属のぶつかり合う鈍い音がした。膝立ちの僕とまさに僕を殺そうとした人物の間にだれかが割って入っている。
紅のマントが闇夜にひらめく。
「おい、クソガキ。なんでこんな状況になってんのかわかんねーけど、さっきの炸裂弾だけは褒めてやる。あれがなかったらまにあわなかっただろうよ。」
真っ赤な騎士団の団服に身を包んだ男は乱暴にソードを抜き放ちながら、僕のほうも見ずに、吐き捨てる。
「お前はそのお方が、太陽の国のお姫さんだってわかってやってんだろうな。このクソ野郎。」
「誰だ貴様は!」ナイフを引き、素早く間合いを取るフードの男。
「ん?俺か?」突然現れた男は、粗野に盾を担ぎながら重そうなソードの切っ先をまっすぐ敵に向ける。
「太陽の国の騎士団長様だよ!まったく団長就任後初任務が、我が国のお姫さん奪回なんて、大手柄じゃねえかよぉ!!」
次の瞬間、木の陰から何十人もの騎士団員が周囲を取り囲む。
「大丈夫よ、私たちが来たからもう安心して。」
僕は気が付くと真っ黒の団服の女性に肩を抱かれていた。温かい青の癒しの魔力が流れ込んでくる。
「今は止血しかできないけど…それに足も折れているわね。もう少しの辛抱よ。」
目の前では、信じられないくらいあっという間に敵は捕らえられ、ジュリエットは騎士団長とやらの腕のなかでぐったりとしているのが見えた。今まで戦っていたとは思えないくらい整った息のまま、近づいてくる。
「まったく。就任早々俺のクビが飛ぶ寸前だったぜ。ったく、おいロゼット。そのクソガキの容体は?」
僕を見下ろすその男は妙にきれいな顔をしていて、たくましくて、ジュリエットをしっかり守っていた。言わなければならないことがたくさんあったが、僕ももう限界だった。
ジュリエットの無事な姿をしっかりと確認すれば、ぎりぎりで保っていた視界は、たちまちブラックアウトした。