薔薇の夢をあなたに
2章 突然の訪問者
舞踏会当日。
「うーーーーーーん…」
私は積み重なった箱の山の前で困り果てていた。
団長の返事を受け取ったアレン様から、感謝の返事と共に大量のドレスや髪飾り、アクセサリーや靴が送られてきたのだ。
おかげで私の部屋の3分の2以上を占領されてしまった。もう一度手紙に目を落とす。
【―感謝の気持ちをこめて、少しばかりの贈り物をさせてもらった。気に入ったものを身に着けて来てくれれば嬉しい。明日の夜、待っている。 アレン】
少しばかりじゃないし、こんなに多いと選ぶのも一苦労。
「アレン様に会ったら、こんなことやめさせなくちゃ…。」
大きくため息をついた。
露出も激しくなく、色も奇抜でないものは、っと……あった!
私は薄いピンクのサテンのドレスを引っ張り出した。
うっ…一瞬値札が見えた気がするけど、見なかったことにする!!靴とアクセサリーもそれに合わせて、適当に選ぶ。
昨日の手合せの最中にできた、あちこちの生傷はドレスの丈とロングの手袋で隠した。
「ジュリエットーー!?用意できた?ヘアメイク手伝おうか?」
「あぁ、ロゼットさん。入って!」
今の今まで猛獣たちのけいこをしてきたのか、ロゼットさんはステージ衣装のままだった。
「今日はお休みなのに、さすがですね!」
私はびっくりした。
「いや、本当は市街に観光でも行こうかと思ってたんだけどね。なぜか、あの子たちの落ち着きが全然なくてね。ずーっとそわそわしてるのよ。あんまりにもひどいから、今は睡眠薬を打って寝かしつけたところ。」
上着を脱ぎながら、答えてくれる。
めずらしい…ロゼットさんでも手に負えないなんて…。
「ま、お仕事は置いておいて!お姫様が王子様に会うためのお手伝いをさせていただきましょうか?」
ふざけて跪く仕草をする。
「もう!ロゼットさん!!」
私が赤くなるのがどうしようもなく楽しいようで、反撃もむなしくあっという間に私は髪をとかされる。
普段から自分の身だしなみも美しく整えてる彼女は、すぐに私の髪を華やかなアップスタイルに仕上げてくれた。
「今日は楽しんできてほしいけど、劇団の一員として恥ずかしいことはしないようにね。」
鏡越しにウインクが飛んでくる。私も鏡越しに感謝の笑顔でうなずいた。これからの夜への期待で幸せいっぱいだった。
「うーーーーーーん…」
私は積み重なった箱の山の前で困り果てていた。
団長の返事を受け取ったアレン様から、感謝の返事と共に大量のドレスや髪飾り、アクセサリーや靴が送られてきたのだ。
おかげで私の部屋の3分の2以上を占領されてしまった。もう一度手紙に目を落とす。
【―感謝の気持ちをこめて、少しばかりの贈り物をさせてもらった。気に入ったものを身に着けて来てくれれば嬉しい。明日の夜、待っている。 アレン】
少しばかりじゃないし、こんなに多いと選ぶのも一苦労。
「アレン様に会ったら、こんなことやめさせなくちゃ…。」
大きくため息をついた。
露出も激しくなく、色も奇抜でないものは、っと……あった!
私は薄いピンクのサテンのドレスを引っ張り出した。
うっ…一瞬値札が見えた気がするけど、見なかったことにする!!靴とアクセサリーもそれに合わせて、適当に選ぶ。
昨日の手合せの最中にできた、あちこちの生傷はドレスの丈とロングの手袋で隠した。
「ジュリエットーー!?用意できた?ヘアメイク手伝おうか?」
「あぁ、ロゼットさん。入って!」
今の今まで猛獣たちのけいこをしてきたのか、ロゼットさんはステージ衣装のままだった。
「今日はお休みなのに、さすがですね!」
私はびっくりした。
「いや、本当は市街に観光でも行こうかと思ってたんだけどね。なぜか、あの子たちの落ち着きが全然なくてね。ずーっとそわそわしてるのよ。あんまりにもひどいから、今は睡眠薬を打って寝かしつけたところ。」
上着を脱ぎながら、答えてくれる。
めずらしい…ロゼットさんでも手に負えないなんて…。
「ま、お仕事は置いておいて!お姫様が王子様に会うためのお手伝いをさせていただきましょうか?」
ふざけて跪く仕草をする。
「もう!ロゼットさん!!」
私が赤くなるのがどうしようもなく楽しいようで、反撃もむなしくあっという間に私は髪をとかされる。
普段から自分の身だしなみも美しく整えてる彼女は、すぐに私の髪を華やかなアップスタイルに仕上げてくれた。
「今日は楽しんできてほしいけど、劇団の一員として恥ずかしいことはしないようにね。」
鏡越しにウインクが飛んでくる。私も鏡越しに感謝の笑顔でうなずいた。これからの夜への期待で幸せいっぱいだった。