薔薇の夢をあなたに
硫黄のにおいはどんどん濃くなっていく。外が見えない、分からない。結界で私の魔力も抑え込まれている。
ただ、分かるのは仲間の悲鳴と魔族のうめき声がどんどん近づいていること。
怖かった、とにかく戦いたい、ここで死を待つだけなんてそんなの耐えられない。
「ここから出して!!!!!お願いよ!!ロゼットさん!!!!!」
ロゼットさんは魔方陣のカードを投げると、召喚獣を難なく呼び出した。呼び出された白亜の異界の獣たちは、自分のすることが分かっているようだ。
トラのような獣たちはロゼットさんの前に出て、暗い廊下の先を睨み付け、唸り声をあげている。
息ができなくなるほど、硫黄のにおいが充満している。あまりの濃さに目がかすんだ瞬間、白亜の獣たちは雄たけびをあげた。
2体の悪魔が、こちらめがけて飛んでくる。
しかし、部屋の前に立つロゼットさんには触れることすらできず、聖獣の吐く青い炎に焼かれた。あっという間だった。
攻めてきた魔物は数は多けれど、低級のものだったようで、それからも部屋の前の廊下には、気持ちの悪い鱗を光らせた魔獣や、蛇のような悪魔など恐ろしい魔族が攻めてきたが、ロゼットさんと召喚獣には傷一つつけられなかった。
もう何時間たったんだろう…時間の感覚がなくなっていく。私は、目の前で繰り広げられる戦いに感覚が麻痺してきていた。
「下がれ。」掠れた声が聞こえた、気がした。急に周囲の気温が下がったのが分かる。気が付くと魔族の攻撃はピタリとやんでいた。
ロゼットさんはまとわりつく汗を袖口で拭う。彼女の魔力がかなり消耗しているのが分かった。
当然だ。数重に張った結界を維持しながら、召喚獣を使い、自分自身の高度な魔法も幾度となく発動させた。
今立っていられる彼女の魔力がバケモノなのだ。きれいな唇が開く。
「出てこい。隠れているのは分かっている。」
ただ、分かるのは仲間の悲鳴と魔族のうめき声がどんどん近づいていること。
怖かった、とにかく戦いたい、ここで死を待つだけなんてそんなの耐えられない。
「ここから出して!!!!!お願いよ!!ロゼットさん!!!!!」
ロゼットさんは魔方陣のカードを投げると、召喚獣を難なく呼び出した。呼び出された白亜の異界の獣たちは、自分のすることが分かっているようだ。
トラのような獣たちはロゼットさんの前に出て、暗い廊下の先を睨み付け、唸り声をあげている。
息ができなくなるほど、硫黄のにおいが充満している。あまりの濃さに目がかすんだ瞬間、白亜の獣たちは雄たけびをあげた。
2体の悪魔が、こちらめがけて飛んでくる。
しかし、部屋の前に立つロゼットさんには触れることすらできず、聖獣の吐く青い炎に焼かれた。あっという間だった。
攻めてきた魔物は数は多けれど、低級のものだったようで、それからも部屋の前の廊下には、気持ちの悪い鱗を光らせた魔獣や、蛇のような悪魔など恐ろしい魔族が攻めてきたが、ロゼットさんと召喚獣には傷一つつけられなかった。
もう何時間たったんだろう…時間の感覚がなくなっていく。私は、目の前で繰り広げられる戦いに感覚が麻痺してきていた。
「下がれ。」掠れた声が聞こえた、気がした。急に周囲の気温が下がったのが分かる。気が付くと魔族の攻撃はピタリとやんでいた。
ロゼットさんはまとわりつく汗を袖口で拭う。彼女の魔力がかなり消耗しているのが分かった。
当然だ。数重に張った結界を維持しながら、召喚獣を使い、自分自身の高度な魔法も幾度となく発動させた。
今立っていられる彼女の魔力がバケモノなのだ。きれいな唇が開く。
「出てこい。隠れているのは分かっている。」