薔薇の夢をあなたに
「ジュリエット…。すまなかった。」
ふっと悲しそうな表情に変わる。
「え?」
「この前僕は君に言ったよね。僕に近づかないでくれって。あれは君が嫌いだから言ったわけじゃない。」
「私がレイの嫌がることをしたから?」
「違う。君は何も悪くない。」
「でも、レイはいきなり怖くなったから、私、何か原因あるなら…直すよ?」
「違うんだ、本当に君は悪くない、悪くないんだ。」
レイの冷たい手が頬に触れる。
「君にとって僕と親しくなることは、いいことではない。っていうこと…なんだ。でもそのために君に、僕に近づくなというのは間違ってる。僕が君に近づかないように努力すべきだった。」
「なんで?なんで私たちは仲良くなってはいけないの?」
「いつか分かるよ、だからすまない。でも、分かってほしい、僕にとっても君と距離を置こうとすることはつらいんだ…」
「意味がわからないわ。」
「分からなくていい。君は何も知らなくていい。」
私はうつむいた。
「ジュリエットすまな…「いやよ。」「え?」
私はレイの頬を両手でつつんだ。
これでレイはどこにも逃げられない。
「いやよ。私はレイと仲良くなりたいし、知らないままでいるのも絶対にいや。レイが私から離れようとするならどこまでも追いかけてやるわ。これは宣戦布告よ。」
私はぐっと顔を近づけて凄んだ。
「ジュ…リエット?」
「レイの言い分は知らない。私はもっとあなたのことを知りたいし、側にいたいの。私の気持ちはあなたに何を言われようと変わりませんから!!!」
気付くと、唇が触れ合うまであと数センチのところまで顔を近づけていた。
「あ!!ごめん!!」
私はあわててレイから離れた。
レイはあっけにとられたような顔でしばらくいたけど、
我に返ったように笑い始めた。
「ははははは!!まさか女の子に脅されるとは思わなかったな。」
目の端に涙をためて笑われる。
「君は本当に規格外だよ…
全然僕の思った通りに動いてくれないんだから困ったよ。」
「そ、そんなに笑わなくても…」
「いや、褒めているんだよ。さぁ、僕はちゃんと近づかないように警告はしたからね。それに僕が君から逃げてもおいかけてくるんだろ?全く困ったお姫様だよ。」
「え!それって私と仲良くしてくれるってこと!?」
「そういう意味にとらえてもらって構わないよ。僕と親しくなること、もう後悔しても遅いからね。」
「ううん!そんなこと絶対ありえないわ!!」
私は自信いっぱいに胸を張る。
「ふふ、随分話し込んだね。せっかくのエリーの手料理、一緒に食べよう。今日はせっかくだからのんびりして行こう。」
「うん!レイありがとう!」
私はレイの隣に座り、手近なトマトサンドをつまむ。
「うん美味しい!さすがエリーね!」
レイは憑き物が落ちたように、さっぱりした笑顔をむけてくれるようになった気がする。
「ねえレイ。私聞きたいことがたくさんあるんだけど!」
「なんだい?」
「ねえ、好きな色は何?」
「え、どうしてそんなこと?」
「レイのことは何でも知りたいの。ねえ、教えて?」
「うーーん、青かな?あと…黒。」
「黒?青はなんとなくレイのイメージだから分かるけど、黒も好きなの?」
レイは一瞬思案すると
「うん。好きになったのは最近かな。黒は君の髪と瞳の色だから。とってもきれいな色だと思うよ。瞳はいっつも夜空のように澄んでる。」
完璧な笑顔でこちらを見てくる。
こんな恥ずかしいセリフがさらっと言える人がこの世にいたなんて…。これは予想外の反撃だった。たまらず、真っ赤になる。
「あと、ピンクも好きだよ?君が照れた時のほっぺたの色だ、恥ずかしがるジュリエットはすごく可愛いよね、あと…」
「ストーップ!質問変えます!!」
「あぁ、まだ好きな色はたくさんあったのに…」
「いいから!好きな食べ物は?」
私は山盛りの質問を浴びせかけた、知らなかったことを知るために聞いたんだけど、レイはぜーーんぶ私への恥ずかしいセリフを交えながら返してくる。
どこまで本当のことなんだか…。
ふっと悲しそうな表情に変わる。
「え?」
「この前僕は君に言ったよね。僕に近づかないでくれって。あれは君が嫌いだから言ったわけじゃない。」
「私がレイの嫌がることをしたから?」
「違う。君は何も悪くない。」
「でも、レイはいきなり怖くなったから、私、何か原因あるなら…直すよ?」
「違うんだ、本当に君は悪くない、悪くないんだ。」
レイの冷たい手が頬に触れる。
「君にとって僕と親しくなることは、いいことではない。っていうこと…なんだ。でもそのために君に、僕に近づくなというのは間違ってる。僕が君に近づかないように努力すべきだった。」
「なんで?なんで私たちは仲良くなってはいけないの?」
「いつか分かるよ、だからすまない。でも、分かってほしい、僕にとっても君と距離を置こうとすることはつらいんだ…」
「意味がわからないわ。」
「分からなくていい。君は何も知らなくていい。」
私はうつむいた。
「ジュリエットすまな…「いやよ。」「え?」
私はレイの頬を両手でつつんだ。
これでレイはどこにも逃げられない。
「いやよ。私はレイと仲良くなりたいし、知らないままでいるのも絶対にいや。レイが私から離れようとするならどこまでも追いかけてやるわ。これは宣戦布告よ。」
私はぐっと顔を近づけて凄んだ。
「ジュ…リエット?」
「レイの言い分は知らない。私はもっとあなたのことを知りたいし、側にいたいの。私の気持ちはあなたに何を言われようと変わりませんから!!!」
気付くと、唇が触れ合うまであと数センチのところまで顔を近づけていた。
「あ!!ごめん!!」
私はあわててレイから離れた。
レイはあっけにとられたような顔でしばらくいたけど、
我に返ったように笑い始めた。
「ははははは!!まさか女の子に脅されるとは思わなかったな。」
目の端に涙をためて笑われる。
「君は本当に規格外だよ…
全然僕の思った通りに動いてくれないんだから困ったよ。」
「そ、そんなに笑わなくても…」
「いや、褒めているんだよ。さぁ、僕はちゃんと近づかないように警告はしたからね。それに僕が君から逃げてもおいかけてくるんだろ?全く困ったお姫様だよ。」
「え!それって私と仲良くしてくれるってこと!?」
「そういう意味にとらえてもらって構わないよ。僕と親しくなること、もう後悔しても遅いからね。」
「ううん!そんなこと絶対ありえないわ!!」
私は自信いっぱいに胸を張る。
「ふふ、随分話し込んだね。せっかくのエリーの手料理、一緒に食べよう。今日はせっかくだからのんびりして行こう。」
「うん!レイありがとう!」
私はレイの隣に座り、手近なトマトサンドをつまむ。
「うん美味しい!さすがエリーね!」
レイは憑き物が落ちたように、さっぱりした笑顔をむけてくれるようになった気がする。
「ねえレイ。私聞きたいことがたくさんあるんだけど!」
「なんだい?」
「ねえ、好きな色は何?」
「え、どうしてそんなこと?」
「レイのことは何でも知りたいの。ねえ、教えて?」
「うーーん、青かな?あと…黒。」
「黒?青はなんとなくレイのイメージだから分かるけど、黒も好きなの?」
レイは一瞬思案すると
「うん。好きになったのは最近かな。黒は君の髪と瞳の色だから。とってもきれいな色だと思うよ。瞳はいっつも夜空のように澄んでる。」
完璧な笑顔でこちらを見てくる。
こんな恥ずかしいセリフがさらっと言える人がこの世にいたなんて…。これは予想外の反撃だった。たまらず、真っ赤になる。
「あと、ピンクも好きだよ?君が照れた時のほっぺたの色だ、恥ずかしがるジュリエットはすごく可愛いよね、あと…」
「ストーップ!質問変えます!!」
「あぁ、まだ好きな色はたくさんあったのに…」
「いいから!好きな食べ物は?」
私は山盛りの質問を浴びせかけた、知らなかったことを知るために聞いたんだけど、レイはぜーーんぶ私への恥ずかしいセリフを交えながら返してくる。
どこまで本当のことなんだか…。