薔薇の夢をあなたに
確かに、他の宝物は全て蔵に突っ込んでいたお父様だったけど、毎日【太陽の石】だけはきっちり管理していた記憶がある。







「石の情報を手に入れるため、俺たちは唯一襲撃を受けていない大国【星の国】を目指しました。





もしこの事実が王族にだけ伝わるものならば、【太陽】【月】の壊滅を知り、石は強固に守られているはずです。





しかし、俺たちから接触するまでもなく、なんと美貌の国王様が、自らテントに足を運んでくださったのです。




ただ誤算だったのが、姫様を見初められてしまったことです。
守ろうとしてきた主を諜報活動にたった一人で出すわけにはいかず、弱りました。









しかも、当人は俺を切り伏せて城に向かわれようとされますしね…」










顔が赤くなるのを抑えられない。あの時は好奇心が強すぎて…









「クスッ…あの時の姫様の瞳の輝きにはデイヴィス様もお困りだったのですよ?」
「あの…ごめんなさい…」
私は素直に頭をさげた。






「いえ、姫様に一本とられてしまう俺の未熟さが悪いのです。
そしてあとは、姫様の記憶もまだ新しいでしょう、私たち一座は突如悪魔の襲撃を受けました。」








ビクッと体が反応してしまう、横にいるロゼットが優しく抱き寄せてくれる。「大丈夫です、もう悪魔はいませんから…」
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