薔薇の夢をあなたに
「ふふ。真っ赤ですよ。姫様…」
レイはくすっと笑った。
いつの間にか元の口調に戻っていた。
「だって、レイが…いきなり……キス…するから…」
私は自分でも分かるくらい真っ赤になっていた。
レイにキスされた左手の甲は、まだぬくもりが残っている…気がする…
思い返すとさらに恥ずかしくなってくる…!
「それに!さっきのどういう意味なの!?」
火照りをごまかすように私は尋ねた。
「意味も何も、姫の騎士として一生を捧げるという誓いですよ。」
私の反応が心底おかしいのか、笑いがこらえきれない様子のレイ。
「それは分かったけど、あんなにキザにしなくても…」
「僕は儀礼をきちんと守る方なので。
ふふ。さぁ、もう日付も変わったころです。今日は大変長かったですから、そろそろ休みましょう。」
言われてみれば、思いっきり泣いたおかげか、心地よい眠気が襲ってきていた。
私は大人しくレイに導かれるように、城へ戻った。
「では、姫様。また明日。」
背を向けようとする彼に私はよびかけた。
私には、最後の“お願い”が残っていた。
「ねえ、レイ?レイは私だけの騎士様なのよね?」
「はい、誓いましたからね。」
「じゃあ、私のお願い一つだけ聞いてくれる?」申し訳なさそうに彼を見上げる。
「ええ、もちろんです。ひとつだけじゃなくて、僕にできる限りのことはなんなりとお聞きしましょう。」落ち着いた笑顔をくれるレイ。
「本当?本当にいいの?」
「ええ。なんでもどうぞ。」
…よし、勝ったわ。
「じゃあ、私のことは“ジュリエット”と呼ぶこと。
もちろん、様付けも禁止よ。あと、敬語も禁止。
歳も変わらないのにレイだけ敬語だとすごくやりづらいのよ。
ふふ、お願いはそれだけ、じゃあおやすみ。レイ。」
私はにっこり笑ってレイの鼻の前で扉を閉めた。
…
「やられた…。」廊下で一人レイはつぶやいた。
ドア越しにレイの敗北宣言を聞くと、私はスキップしてベッドに飛び込んだ。
先ほどとはうってかわって、5分と経たずに私は眠りについた。
レイはくすっと笑った。
いつの間にか元の口調に戻っていた。
「だって、レイが…いきなり……キス…するから…」
私は自分でも分かるくらい真っ赤になっていた。
レイにキスされた左手の甲は、まだぬくもりが残っている…気がする…
思い返すとさらに恥ずかしくなってくる…!
「それに!さっきのどういう意味なの!?」
火照りをごまかすように私は尋ねた。
「意味も何も、姫の騎士として一生を捧げるという誓いですよ。」
私の反応が心底おかしいのか、笑いがこらえきれない様子のレイ。
「それは分かったけど、あんなにキザにしなくても…」
「僕は儀礼をきちんと守る方なので。
ふふ。さぁ、もう日付も変わったころです。今日は大変長かったですから、そろそろ休みましょう。」
言われてみれば、思いっきり泣いたおかげか、心地よい眠気が襲ってきていた。
私は大人しくレイに導かれるように、城へ戻った。
「では、姫様。また明日。」
背を向けようとする彼に私はよびかけた。
私には、最後の“お願い”が残っていた。
「ねえ、レイ?レイは私だけの騎士様なのよね?」
「はい、誓いましたからね。」
「じゃあ、私のお願い一つだけ聞いてくれる?」申し訳なさそうに彼を見上げる。
「ええ、もちろんです。ひとつだけじゃなくて、僕にできる限りのことはなんなりとお聞きしましょう。」落ち着いた笑顔をくれるレイ。
「本当?本当にいいの?」
「ええ。なんでもどうぞ。」
…よし、勝ったわ。
「じゃあ、私のことは“ジュリエット”と呼ぶこと。
もちろん、様付けも禁止よ。あと、敬語も禁止。
歳も変わらないのにレイだけ敬語だとすごくやりづらいのよ。
ふふ、お願いはそれだけ、じゃあおやすみ。レイ。」
私はにっこり笑ってレイの鼻の前で扉を閉めた。
…
「やられた…。」廊下で一人レイはつぶやいた。
ドア越しにレイの敗北宣言を聞くと、私はスキップしてベッドに飛び込んだ。
先ほどとはうってかわって、5分と経たずに私は眠りについた。