薔薇の夢をあなたに
まず、レイの“心当たり”を探してみることになった私たち。
4人はそれぞれ戦闘準備を整えてきている。







「でも、ここって…」私は不思議に思ってレイを見上げる。







「そうだよ、玄関ホールだ。」
私たちがレイについてたどり着いたのは
正面大階段の前の広い玄関ホールだった。








今は入り口が開け放されていて、入り口の庭園と青い空がよく見える。







「こんなところの、どこに物が隠せるんだ?」
片眉をあげて、デイヴィスも不思議そうにしている。








こんないい天気の日に、玄関で完全武装した人間の立ち話なんて、不釣り合いだな…と思った。









レイはホールの中央部に進んだ。
「ここだ。」レイはロッドで床の一か所を指した。








私もレイの隣に並んでみる。「本当…ここ…おかしい…。」
魔力の流れがここだけ極端におかしい。これは…










「ここだけ、異様に火属性の魔力が濃いんだね。」
ロゼットも感づいたようだった。










「おいおい、俺を置いて3人で納得するのはやめろよ。」
魔法はからっきしのデイヴィスが困ったように頭をかいた。










「この玄関ホールの、この部分だけ常に強力な火属性の魔力が渦巻いているんだ。襲撃前にはなかった流れだ。」
レイは冷静にその部分を観察する。








「きっと何かこの下にあるはずなんだ、どうすれば…」








「対抗属性の水属性で刺激してみる?」
「それか、片っ端から封印解除呪文を試してみるとか?」
私とロゼットはそれぞれ案を出してみる。
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