薔薇の夢をあなたに
光魔法で照らしながら進むレイを筆頭に
ロゼット、私、デイヴィスの順に階段を下りていく。





私は最近の鍛錬不足を実感していた。
これくらいで疲れが来るなんて…、額に浮かぶ汗をそっとぬぐう。







「どんどん気温が上がっている…みたいだ…。」
レイはつぶやいた。



立ち止まると「デイヴィス、この先も気温がさらに上がりそうだ。どうする?」
「危険が近づいているかもしれない…ということか。
王の命をかけた血の封印だ、簡単にはいかないだろう、覚悟はしている。」







その声にレイはうなずくと、レイは簡素な氷魔法で私たちを包む。
「ここから先は何が起こるか分からない。みんな警戒を怠るな。」
私は両腕のレイピアをぎゅっと握りなおした。





この階段はどこまで続くのだろう…
ひたすら下り続ける階段に時間の感覚はほとんどなくなってきていた。
緊張の続くこの空間に神経が悲鳴をあげそうになった時。




「どうやら着いたみたいだ。」
先頭を行くレイが立ち止まった。
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