薔薇の夢をあなたに
レイの容体はかなり深刻だった。
意識は朦朧とし、信じられないほどの高熱と激痛に常に苦しまされる。顔色は真っ青で、何も口にすることはできなかった。
一座の【黒の団】の魔法使いたちが交代で常に癒しの術をかけ続けた。それでも、状況が好転することはなく、むしろ悪化し続ける一方だった。
「レイ…ごめんね…ごめんね…。」
私は、ロゼットと代わりレイの処置に入った。
美しい彼の、変わり果てた姿に涙をこらえられなかった。あの大好きな笑顔がこちらに向けられることはない。
代わりに、紫に変色した毒々しい傷跡と浅く苦しそうな胸の動きが視界に入る。
私はせめて眠れるようにと、精一杯の魔力を注ぐ。少しずつ少しずつ、表情が和らいでいく…
「レイ…お願い…いかないで…」
「ジュ…リ…」
消えそうな声が耳に届く。
「レイ!!!!!!」
「よか……った……君が…無事で…」
レイはうっすらと目を開いた。
「いいわ!!喋らなくて!!!休んで!!」
「僕は…君にために…死ねるなら……それでもいいんだ…」
「何を言ってるの!!もうすぐ直るわ!!しっかりして!!」
レイはそれだけ言うと、また目をつぶった。
「…私は…どうすればいいの…」
レイにがむしゃらに魔力を注ぎながら嗚咽をこぼして泣いた。
どれくらいそうしていたかわからない。少しずつ自分の体が冷えていくのが分かる。
「ちょっとジュリエット!!何をしているの!!!」
「あ…。ルビ…。」
「あなた死ぬ気ですの!?自分の魔力の限界を超えているわ!!」
私の捨て身の魔法に気付いたルビーによって、レイから無理やり引き離される。
「嫌…私がレイを守らなきゃ…」
「ジュリエット!?」
騒ぎに感づいたデイヴィスが部屋に入ってくる。
「お前なんて顔色してるんだ!?今すぐ代われ!!」
「いや…いや…」
デイヴィスの顔がどんどん遠ざかっていく…私は意識を手放した。
意識は朦朧とし、信じられないほどの高熱と激痛に常に苦しまされる。顔色は真っ青で、何も口にすることはできなかった。
一座の【黒の団】の魔法使いたちが交代で常に癒しの術をかけ続けた。それでも、状況が好転することはなく、むしろ悪化し続ける一方だった。
「レイ…ごめんね…ごめんね…。」
私は、ロゼットと代わりレイの処置に入った。
美しい彼の、変わり果てた姿に涙をこらえられなかった。あの大好きな笑顔がこちらに向けられることはない。
代わりに、紫に変色した毒々しい傷跡と浅く苦しそうな胸の動きが視界に入る。
私はせめて眠れるようにと、精一杯の魔力を注ぐ。少しずつ少しずつ、表情が和らいでいく…
「レイ…お願い…いかないで…」
「ジュ…リ…」
消えそうな声が耳に届く。
「レイ!!!!!!」
「よか……った……君が…無事で…」
レイはうっすらと目を開いた。
「いいわ!!喋らなくて!!!休んで!!」
「僕は…君にために…死ねるなら……それでもいいんだ…」
「何を言ってるの!!もうすぐ直るわ!!しっかりして!!」
レイはそれだけ言うと、また目をつぶった。
「…私は…どうすればいいの…」
レイにがむしゃらに魔力を注ぎながら嗚咽をこぼして泣いた。
どれくらいそうしていたかわからない。少しずつ自分の体が冷えていくのが分かる。
「ちょっとジュリエット!!何をしているの!!!」
「あ…。ルビ…。」
「あなた死ぬ気ですの!?自分の魔力の限界を超えているわ!!」
私の捨て身の魔法に気付いたルビーによって、レイから無理やり引き離される。
「嫌…私がレイを守らなきゃ…」
「ジュリエット!?」
騒ぎに感づいたデイヴィスが部屋に入ってくる。
「お前なんて顔色してるんだ!?今すぐ代われ!!」
「いや…いや…」
デイヴィスの顔がどんどん遠ざかっていく…私は意識を手放した。