月明かりと薄桜 -誠の絆-

帰ってきて台所へ向かうと

さっきまで斎藤さんと送っていた静かな時間は一気に崩れ賑やかなものとなった



「一くんたちおかえり!」

「平助くんただいま」



平助くんは勢い良く走ってきて

戸の隙間からひょっこり顔を出していた

そしてその後ろにはもう一人



「今日の飯はなんだー?」


平助くんより一回りくらい大きい新八さん

そんな新八さんが戸を思いっきり開くと


ゴンッ…!




戸の隙間から顔を出して手をかけていた平助くんは


すごい勢いで床に崩れ落ちた



「いってぇ!新八さん!いきなり開けるなよな!」


「大丈夫!?」


思わず"あっ"と口を開けてしまうくらいの勢いだった


顎から打ったみたいで

平助くんは少し涙目になっていた





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