月明かりと薄桜 -誠の絆-
「困ってるじゃない!」
挙動不審になっていると
一花が私の肩に置かれていた
浪士の手を払い私の前に立った
一花…!?
文学少女だけど本が好きなだけであって
男勝りな性格の彼女
いつも困ってる人を見かけては助け
相手が男だろうと誰だろうと容赦はしなかった
「俺らはこの子に用があるんだよ!」
そんな一花に見向きもしない彼らは
彼女を払って地面に倒すと
私の右手を掴みとった。
「いや…!」
その手を拒むけれども
男の人に勝てるわけがない
痛いくらい掴まれた手は離れそうにもなかった
それに2対1なんて卑怯すぎる…!
だんだん人だかりができていく
でもそれは私達を助けてくれるわけではい
みんな斬られるのが怖いから
見てみぬふりをするだけ
誰か助けて…!