月明かりと薄桜 -誠の絆-


「おいそこの兄ちゃんよお」


お団子をよいしょと抱えていると

ぽんっと男の子の肩に手を置かれた


彼の後ろにいるのは…不定浪士




「ええ娘つれてんじゃねえか?俺に渡せよ」




こんなの二回目じゃない

もうそろそろ私だって飽きたわよ


同じ光景なんて…二度と見たくない

"あの日"と同じなんて

こっちからごめんだよ



「あなたはっ__」


不定浪士の男に文句を言おうと

乗り出したものの

男の子が私の前に立ち塞いだ



な、なんでよ?

初めて会った私のために生き急ぐ必要なんてないのに


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