月明かりと薄桜 -誠の絆-


沖田さんはどうだろう?

また私をどこかに置いて

ずっと先の道で私に手を降るんじゃないかな


でもそんな不安は

全部、全部

彼が包み込んでくれた




「僕はもう君を一人にしないよ」

 

すっと伸びてきた彼の腕は

私の体をぎゅっと抱きしめてくれた


"一人にしないよ"

そのヒトコトがどれだけ嬉しかった


さっきまでの意地悪な彼はいなくて

優しい沖田さんがそこにいる



「嘘は嫌いですよ?」

「僕が嘘をついた時は君が僕を斬る時だ」



震える声を必死に抑えて

彼に尋ねると彼はふっと笑ってそう言った


あなたは私を一人にしないって誓った

あなたが嘘をついた時は私が彼を斬る

そんなのできないけど

私は彼と交わした約束を信じたかった




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