月明かりと薄桜 -誠の絆-
すると彼は手に握ったお団子の棒を見つめたまま
にっこりと笑って
「分かったよ」
快く承諾してくれた
いつもなら"うるさいよ"なんて突き返されるのに
今日の沖田さんはやけに素直だ
でも、そんな彼にも
譲れないものはやっぱりあった
「その変わり、僕のお願いも聞いてくれるよね?」
私はコクリと頷く
すると彼はその"お願い"をした
「僕の邪魔はしないで」
邪魔をするなと彼は言う
何をすれば邪魔になるのかは
はっきりとは分からないけれど私は頷いた
「僕の道を塞ぐなら僕は君を斬るから」
単刀直入すぎる言葉に
無意識にも背筋がゾッとした___