月明かりと薄桜 -誠の絆-
その時だった
私のすぐ真横を何かがすっと通り抜けた
一瞬のこと過ぎて
何が起こったかよくわからなかった
「ぐわぁ!?」
私の手を掴んでいた浪士の背中には
槍のようなものが刺さっていて
私の手を離した
突然手に加えられてた力が弱まったものだから
体がふらついて
浪士と一緒に倒れそうになった時
「おっと危ねえ…!大丈夫か?」
誰かが私を抱きとめてくれた
顔を上げると浅葱色の布を羽織った
一人の男の子がいた
浅葱色…
もしかして新選組…?
私の横を通って行ったのは
浪士に刺さってる槍?