月明かりと薄桜 -誠の絆-


その時だった

私のすぐ真横を何かがすっと通り抜けた

一瞬のこと過ぎて

何が起こったかよくわからなかった



「ぐわぁ!?」



私の手を掴んでいた浪士の背中には

槍のようなものが刺さっていて

私の手を離した

突然手に加えられてた力が弱まったものだから



体がふらついて

浪士と一緒に倒れそうになった時



「おっと危ねえ…!大丈夫か?」



誰かが私を抱きとめてくれた

顔を上げると浅葱色の布を羽織った

一人の男の子がいた



浅葱色…


もしかして新選組…?




私の横を通って行ったのは

浪士に刺さってる槍?



< 19 / 305 >

この作品をシェア

pagetop