月明かりと薄桜 -誠の絆-
沖田さんは確かに
"それ"をチラッと見た
「ならいいんだけど」
けど彼は何も言わなかった
心のどこかでほっとした
本のこと聞かれても困るし
本に書いてあったことがバレて
彼らを困らせるわけにもいかないし…
やっぱり自分で解決するしかないのかな?
「で、何かあったんですか?」
私は話を逸らしたくて
部屋にいろと言われた理由を質問した
すると彼は少し困った顔をして
首をひねらせた
「いや…実はさ」
その重い口調から
何かあったんだと悟った