月明かりと薄桜 -誠の絆-


それは受け入れたくない事実だった

あの平助くんが

この場を去る____




「最後に…平助くんに…会いたいから…」



もう、彼に会えない

ならばもう一度、最後に平助くんに会いたい


彼の顔をちゃんと見て

"ありがとう"って言って

笑ってあげたい




「土方さんには…内緒だから」



沖田さんは私に手を差し伸べた

そして私は彼の手を握る


ぎゅっと握られた手が温かい


彼は私の願いを聞き入れてくれた

平助くんの元に連れて行ってくれると__




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