月明かりと薄桜 -誠の絆-
"足音たてないで"
そう言われて向かったのは
屯所の裏口
音をたてないように
静かにその扉を開けると
そこはもう屯所の外だった
「僕はここで待ってるから。平助ならまだ近くにいると思う」
沖田さんはそう言って足を止め
東の方角を指さした
平助くんはもう既にこの屯所を出たらしい
早く行かないと…
本当に会えなくなっちゃう…!
「ありがとうごさまいますっ」
そう言って私は
彼が指差す方角に向かって走りだした
早く、早く、早く
平助くんを見つけることで精一杯だった
だってまだ___
まだ、
平助くんに伝えたいこと
たくさんあるから_____