月明かりと薄桜 -誠の絆-


沖田さんに背中を押されてから

どれくらい走っただろう?

私の体力はもう既に限界だった

膝から崩れ落ちそう




そんな時だった____


「りん!?」



少し先を歩く集団

その中の一人がふと振り返った



「見つけた…!」



それは間違いなく平助くんだった

遠くからでもわかる平助くんの声

平助くんの表情



昨日まですぐ近くにいたのに

随分遠い人になってしまったような気がする



「お前、なんでこんなところにいるんだ?そんなに走って…」



駆け寄ってきてくれた平助くんは

目を見開いてかなり驚いてるみたいだった


そりゃそうだよね…

こんな息切らして私が走ってきてるんだもん


でも今は

そんなこと関係ない





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