月明かりと薄桜 -誠の絆-



「僕も…分からないんだ」

「どうしたんですか?」




いつものお調子者の沖田さんは

一体どこにいってしまったんだろう?



平助くんがいなくなったことで

重くなった屯所内の空気に飲み込まれてしまったのかもしれない




「僕は君じゃないけど…今、どうしようもなく胸が苦しい」




"ねえ、なんでかな?"

そう沖田さんは続けた


なぜ…?

どうしてそれを私に聞くんだろう…



「それは、"寂しい"ってことなんじゃないですか?」




"平助くんがいない"

その事実が胸を締め付けてる可能性は高い

沖田さんだって

寂しいんじゃないかな?



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