月明かりと薄桜 -誠の絆-
そして夜が更けたころ
また外出禁止令が出された
けど今回は一人じゃない
彼も一緒だった
「なんで僕が君と留守番なわけ…」
隣でぶつぶつ文句を言っているのは
もちろん沖田さん
あぐらをかいて部屋の隅で固まっていた
なんでって私に言われても…
だって沖田さん…
「うっ、げほっ…げほっ」
老害が悪化してるじゃないですか
なんて口に出して言えるはずもなく
そう心の中で答えた
彼の老害は薬を飲んでも体を休めても
よくなるはずもなかった
死の病
"老害"
それは確実に彼の体を蝕んでいってる
ここに初めて来た時よりも
体は細くやつれていってる気がするし…
彼のタイムリミットは
刻々と迫っているようだった_____