月明かりと薄桜 -誠の絆-


「僕が行ってたら…何か変わったのかなあ…」



あまりにも小さすぎる声だったけど

私にははっきり聞こえた



沖田さんは…

後悔してる


自分の病気も分かってて

何もできない自分を悔やんでる


彼はきっと

こんなつらい思いを

今まで何度も何度も繰り返していたんだろう



私はもう

そんな沖田さんを見たくない…




「土方さん…沖田さんに刀を握らせてください」




私が言っても

なんの説得にもならないかもしれない

けれど

彼がそう望んでいるのなら

私は彼の手伝いをしたかった




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