月明かりと薄桜 -誠の絆-
四章
それから月日は当たり前のように過ぎていった
消えかかった私の両手
あの日から毎晩のように
体のどこかが消えかかる
薄くなって元に戻って
また薄くなって…その繰り返し
だけど昨日、一昨日あたりから
それが激しくなってる気がする
いつもは手だけ、とか
足だけ、とかだったのに
昨日一昨日は両手両足消えかかったり…
一番驚いたのは
体全身がうっすらだったけど消えかかったこと
私が現代に帰るのも近いのかもしれない
もう少しで新選組のみんなともお別れ
普通の高校生に戻るんだ…
そう思うと
やっぱり寂しいな…
「凛、ちょっといいか」
沖田さんの部屋の前の縁側に腰掛けて
どうするものかと考えてると
ふと声が掛かった
その声の持ち主は…
ちょっと遠慮気味な土方さんだった