月明かりと薄桜 -誠の絆-


私はすっと立ち上がると

土方さんを真っ直ぐ見つめた


彼は私が逃げると思ったんだろう

また刀に手をかけた


でもそんなことしてられるのは今だけ



私はすーっと息を吸い込んだ



「しれば迷い しなければ迷わぬ 恋の道」


「梅の花 一輪咲いても うめはうめ」


俳句を読んでいく

土方さんの顔が

みるみるうちに赤くなっていく

だってこの俳句は


「豊玉発句集」


にあった俳句だから

土方さんが書いた俳句。



「貴様なぜそれを!?!?やめろ!」


恥ずかしそうに顔を赤らめ

必死に訴え始めた彼


なぜって…

この人ちゃんと話聞いてんのかなあ…

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