月明かりと薄桜 -誠の絆-
本をめくると
真っ白なページが続く
どれだけめくっても真っ白すぎるページ
「なにこれ」
一枚一枚めくっても切りがなさそうで
パラパラとおおざっぱにめくっていくと
最後のページに辿り着いた
そしてそこに書かれた
たったひとつの言葉
"誠"
明朝体で書かれているその文字は
赤色でとても力強く感じられた
そしてその文字を見た途端
さっきのページのように視界が真っ白になった気がした
頭の奥がぼーっとして
体がふわりと浮いた気がする
初めての感覚
そしてそれからのことは何も分からなかった