月明かりと薄桜 -誠の絆-
「は、はい…」
恐る恐る返事をすると
山崎さんはいつも通り静かに
だけど少し力を入れてふすまを開けた
「や、山崎さん?どうしたんですか!?」
突然現れた山崎さん
格好がいつもと違いすぎて驚きが隠せなかった
黒い布で顔の半分を隠し
まるで忍者のようだった
「山南さんがお呼びです」
それだけ言うと彼は山南さんの部屋に行くように促した
私の質問には答えてくれない
そして"失礼します"
そう言って彼はまた消えてしまった
胸のざわつきが大きくなる
嫌な予感がする…
でも今は山南さんの部屋に行かなきゃ