月明かりと薄桜 -誠の絆-


思わず目を背けてしまいそうになった

二人共気を失っているみたいで

私の声なんて聞こえていないみたいだった



平助くんと沖田さんの隊服には血がたくさんついていた


そして平助くんの腕からは血がにじみ出ていて


おでこが少し赤くなっているように見てる


沖田さんは…吐血したみたいだった



「平助くんは頭部を強打、総司は見てのとおりだ。よろしく頼めるか」



振り返るとそこには斎藤さんが立っていた

そしてその後ろには左之さんと新八さんも


斎藤さん達の隊服にもたくさん血がついてる


彼らは怪我してないのだろうか?



「大丈夫だ、俺らのは返り血ってやつだ」



そう言って左之さんはニッと笑った

その笑顔を見ると

さっきよりも落ち着いてきた




今は…自分にできることをしなきゃ


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