不器用ちゃんと不器用くん。
「じゃあ、橘花はあそこの空いてる席に座れ。」
そう言って担任が指差したのは、あたしの隣の空いてる席。
うそでしょ〜!!!
はい、と大人しく返事したあいつが、あたしの隣の席に向かって歩いてくる。
あたしはいてもたってもいられず、とにかくいまは気づかれまいと、うつむいて顔を隠した。
どんどん近づいてくるあいつ。
あれ、、、?
なにもない、、、?
隣に座ったあいつは、あたしに見向きもせず、ただ窓の外を見ている。