不器用ちゃんと不器用くん。
「もう!離してってば!」
掴まれてる腕を振り払おうとしたり、もう片方の手で柊くんの腕を叩いたりしたけど、
男子の力にかなうはずもなく、あっという間に屋上についてしまった。
「はい、到着。もう無駄な抵抗はやめたら?」
勝ち誇ったようなその表情に、悔しさがにじむ。
抵抗をやめた私の腕をパッと離し、柊くんは座り、
「ん。ここ座りなよ。」
そう言って、自分の隣をポンポンと叩く。