不器用ちゃんと不器用くん。
その日の帰り道。
電話帳に登録された、中津先輩の画面を見ながら、ウキウキしながら歩いていた。
「茉奈、なにニヤけてんの?」
横に柊くんが来ていたのにも気づかなかった。
「びっくりした!ニヤけてなんかないし。」
「ふーん。何か良いことでもあったかと思って、わざわざ聞いてやったのに。」
「柊くんには関係ないでしょ!」
柊くんに顔を見られないように、あたしは顔をパッとそらす。