今宵も、蒼月に誘われて
「おう、起きたか。気分はどうだ?」
強面の顔に似合わず穏やかな声でそう尋ねてきた男性はゆっくりと私のいる布団のすぐそばに腰を下ろす。黒髪で首元の短い襟足がちょんっと跳ねている。寝起きか、徹夜か、疲れた表情が浮かんでいるものの先ほど、ひじかたさんを呼びに行った青少年と勝も劣らずの美形。
ホストクラブみたい、
自分の現在地もなんで布団で寝ているのかもよく分からないのにそんな呑気なことを考えていた。