今宵も、蒼月に誘われて
沖田さんのその返答にガックリと肩を落として視線を落とす。
文久三年…つまり1863年。幕末である。そして彼らはあの新撰組の男たち。乱世を誠の名の下に生き抜き、満開の花を咲かせながら散ったあの有名な人たち。
「…あの、相模さん?」
急に黙りこくった私を心配して沖田さんが顔を覗き込む。
これから私はどうすれば良いのだろう。
幕末なんて教科書でさらりと習った程度の知識。況してや京都の地形なんて理解しているはずもない。こんな右も左も分からない娘を雇ってくれる場所もないだろう。それに
未来から来た、なんて誰も信じやしない。