今宵も、蒼月に誘われて
「未成年だから呑めません」
「未成年ってなんだぁ?」
「今時ガキでも親に隠れて呑んでるぜ」
「相模ちゃんって真面目ちゃん…?」
私のマトモなはずの発言に対して反応を見せたのは既に酔い気味の男三人衆。3人が3人とも徳利を手にヨタヨタとこちらへ近づいて来る。
えっと…誰?
沖田さんから粗方ここにいる人の説明は受けていたけれど、その記憶の中にこの3人の説明はなかった気がする。
だって、こんな特徴的な3人、忘れるはずないもの。
特徴的、というのは3人並ぶ姿がマトリョーシカみたいに背の順になっているから。
一番背が高い私から見て左のちょっと阿呆そうなお兄さん。
「あれ、俺誰だか分かんない感じ?おい総司。お前俺の説明してないのか?」
「原田さんの説明なんてする必要ないかと思いまして。あ、3馬鹿の後の二人の説明もしてません」
「え、ひど」
「左之助は良いけど、俺らはしといてくれよ」
純粋に落ち込む右端の小柄な男の子と沖田さんの言葉に苦笑する優しそうな男の人。