今宵も、蒼月に誘われて
「えっと…?」
困ったように声を発する私に無口だと説明された斎藤さんが溜息を吐きながら言葉を紡ぐ。
「一番馬鹿そうなのが原田左之助。十番隊組長で島原と酒に溺れる典型的なダメ男だ」
一番背の高いお兄さんを指先ながら溜息を落とす。何だか苦労してるんだな、斎藤さん。
「その隣にいるのが永倉新八。二番隊組長で撃剣師範を務めている。原田の隣にいるが三人の中では割とマトモだと思う」
「ありがとよ、斎藤」
マトモ、という言葉に嬉しそうに顔を歪める永倉さん。
「最後に藤堂平助。八番隊組長で小柄な割に剣の腕前は素晴らしい。また手合わせ願いたいものだ。あと、小柄というと怒るので注意だ」
そう言いつつ、もうすでに二回言ってますよ、斎藤さん。