【完】絆-嘘から始まる友情-
美人転校生がやってきた!
『明音ー!優樹菜ちゃんたち来たわよ。早く起きなさい!』
お母さんの大きな声であたしの朝は始まる。
声がしたのと同時にあたしはベッドから跳ね起きた。
時間を見ると8時。
『え!もうこんな時間!ごめんね、二人とも!』
『ぜんっぜん平気っすよ。』
『あとで一緒に怒られましょー!笑』
そう言うのはあたしの親友・優樹菜(ユキナ)と美玲(ミレイ)。
お母さんもなぜ起こさなかったのだろう。
『あたし遅いし先行ってていいよ!』
『え、明音いないとはじまらないし。』
『待ってるよー』
『ありがとう(^_^)』
支度をして、髪の毛爆発のまま、
家を飛び出す。
朝ごはんも食べてないし、顔も洗ってない。そんな暇はないのだ。
あたし天野明音(アマノ アカネ)中3。
友達といるときが一番好き。
恋はしたことがない。
『やば!走っていこう?』
美玲の声で、あたしたち三人は走り出した。
キーンコーンカーンコーン
『良かった、間に合った ...ごめんね!』
あたしは二人に語りかける。
『平気だって笑』
優樹菜は鞄を机に下ろす。
平気っていうけど、きっと迷惑だったと思う....。
そんなことを思いつつ、席へ座った。
ガラガラ
教室のドアが開き、担任の岡田先生が入ってくる。
『またあとで!』
『オッケー!』
二人と別れ、自分の席へ着く。
『おはよう!今日はな転校生を紹介するぞー!』
え、そうなの?知らなかった!
女子ならあたし達のグループ入ってほしい。
『え、マジでー! 』
『どんな子かなー?』
『美人がいいんだけど笑 』
教室はざわつく。
『ハイハイ、静かに!!』
『浜名入っていいぞ。』
教室のドアが静かに開いた。
『....浜名あおいです。宜しく。』
入ってきたのはこげ茶のロングヘアにまつげは長く、大きな瞳でモデル並みの美しさの女の子だった。
すっごく美人っ!
きっとモテると思う!
このときには誰も知らなかった。
友達関係が少しずつ崩れ始めることを....。
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