喫茶の謎解き意地悪紳士

だが、そんなことを気遣える状態ではない詩音。

「親が遺産目当てなんですよ!!しかも、両親二人とも不倫……っ!!そんなこと、許されるはずがない!!……信じてたのに……」 

乾いたはずの涙が、再び頬を伝う。

「家族が一人死んでもみんな、偽りの涙しか流さない!みんな、奥底にあるのは、遺産のことばっか……!!何なのよ!!なんで、なんで誰もっ……人の命を悲しまないの!!」
< 133 / 255 >

この作品をシェア

pagetop