喫茶の謎解き意地悪紳士
アトリエに着くと、友美が画材が並んでる棚から1枚のスケッチブックを取り出した。
「これ。覚えてる?」
友美が見せたのは、幼い頃の詩音と友美、そして大司の3人が笑いあっている絵。
「懐かしい……。こんな時もあったんだ」
父の嫌な思い出しか記憶に残ってなかった。
なんだか、胸が温かくなる。
「そして……これ、昨日描いたのよ」
昨日……。そういえば、深夜に友美がアトリエで何かを描いていたのをみた。
友美からその絵を見せてもらった瞬間、詩音の瞳から涙が溢れた。