喫茶の謎解き意地悪紳士
終章
注がれた愛
友美からもらった絵を抱えて、詩音は叶亜の部屋を訪れた。
叶亜は窓の外の景色を眺めている。
「あの……真実を見つけてくれてありがとうございました。」
「礼はいらない。これが仕事だからね。」
振り向かずに叶亜が言う。
素っ気なさも感じるが、これが彼の精一杯の対応なんだろう。
「……あなたが言ってた、不器用な愛ってこういう意味だったんですね。」