喫茶の謎解き意地悪紳士

詩音の言葉に、叶亜が首を傾げた。

口は笑ったままだ。

「というと?」

「そりゃ、たしかに……。父はガンで遺産を愛人に渡そうとしています。でも、それでも母は寝る間も惜しんで父の看病を……」

「ははははっ!!」

叶亜が身体を仰け反らせて笑った。

バカにされたようで、ムカッとする。
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