喫茶の謎解き意地悪紳士

「……だから愛子さんに?」

「ああ。この家も土地も全て愛子にあげるよ」

「……分かりました」

叶亜は笑顔で言うと、大司に背を向けた。

器用に車いすを操り、部屋を出ていこうとする。

「だから、探偵が来る必要もないよ。私はいくら説得されても遺産をあんな女にやるつもりはない」
< 58 / 255 >

この作品をシェア

pagetop